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2022.11.18
シンメトリー or アシンメトリー
アエテ社員の話で、小学校に上がる前の自分の子供が服選びにちゃんとした自己主張があると聞いて思ったことがあります。いつから自分の中に美意識が生まれるのだろうかと。
そんなことを考えていて思い出したことがあります。私の場合、小学生の低学年まで左右対称でないと気持ち悪い、もしくはカッコ悪いとういう感覚が強い子供でした。例えば、Tシャツの左胸にあるワンポイントのロゴマークが気になったり、ドラえもんが中央にプリントされているTシャツであっても、そのドラえもんが斜めを向いていたり、どちらかの手を挙げたポーズですら、バランスが悪いと感じ、そんなTシャツを着たいと思わない、今思うと周りの子と少し異なる感覚を持った子供だったと思います。
そんな幼少期でしたが、小学生の高学年になる頃には、そのような感覚も無くなっていたように思います。
自分がデザイナーとなった今、シンメトリーかアシンメトリーか意識してデザインする場合があります。「意識してデザインする」と言ったのは、デザインは必ずしもシンメトリーかアシンメトリーに二分されるわけではないからです。
左右非対称だから、それがアシンメトリーデザインかというとそうではなく、意図的に左右対象のバランスを崩すことで生まれる美しさがアシンメトリーデザインと考えています。
例えば家電に配置されたボタン類は右か左に寄せられていることが多いですが、それをアシンメトリーデザインと呼ぶことは少ないかと思います。一方、カーデザインは一般的には左右対称ですが、日産のキューブは左右非対称のリアビューでした。これはアシンメトリーデザインと言える象徴的なプロダクトデザインの一つだと思います。ここにはデザイナーの強い主張が感じられます。
デザインにおいてシンメトリーかアシンメトリーかは、型の美しさか、型を崩すことで生まれる美しさかに言い換えることができ、そのような目で日常のものを眺めてみると新しい発見があったりして楽しいものです。
そして鏡に映った自分を見て思うのです。髪型はアシンメトリーだなと。(マ)