
cado/想いはブランドに
大量生産、大量消費社会の日本において、家電のもつ『技術と美しさ』は消費者にとっての豊かさを追求したものではなくメーカー主導の差別化、売上のための手段になってしまっている、本当の意味で人々の生活を豊かにしていないのでは、 と家電製品を長年デザインしていた中で感じていました。
デザイナーであり、ものづくりに携わる人間として、もっと「心」が通ったものづくりをして本当の意味で人々の生活を豊かにする「技術と美しさ」を世に提供したい、と思うようになりました。
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まず私たちの目指す方向を明文化し、想いを整理しました。誰にでも理解できるようなわかりやすい表現かつ、端的な言葉で意思表明をし、これからの自分達の「道標(みちしるべ)」にしつつ、周囲の人々にも伝えることでいろいろな人たちを巻き込む大きな力にできれば、と考えたのです。
そこで生まれたのが(技術+美)×心という、ものづくりの方程式でした。

ちょうど世間ではPM2.5や黄砂などの問題が大きく取り沙汰されていた時期でもありました。
空気・空間に対する社会の意識の高まりと、「(技術+美)×心」を実践したいという想い、元ソニー古賀(現カドー代表取締役)との出会い、さまざまな要素が揃い、cadoを立ち上げるきっかけとなったのでした。cado立ち上げにともない、より良い空間創出のために「空気をデザインする」というコンセプトを打ち出しました。「空気」は「air」ではなく、あえて「atmosphere(雰囲気/空気感)」とし空間の雰囲気を美しくする家電をつくる、という想いを込めたのです。

明確なコンセプトがあると、製品の企画はもちろん、ブランドとしてのトーン&マナー(世界観)もイメージしやすいです。商品開発に参加するメンバーは個人の「好き嫌い」の感情に左右されずに全員共通認識の 「コンセプト」に立ち戻って物事を判断することもできます。
「デザインコード(かたちのルール)」もそのひとつです。「デザインコード」はブランディングにおいて重要な手段と考えています。cadoの「デザインコード」は日本古来から受け継がれているかたちです。
わたしたち日本人がもつ美意識を大切にし、デザインに取り入れています。

写真から伝わる空気感も大切にしています。どのシーン写真もクールグレー系の色みをまとわせ、落ち着いた雰囲気のなかにどこか気品を感じられるような佇まいとなるよう意識しています。
製品デザインだけでなく、カタログ、web、売場什器など、ブランドに関わるすべての要素に意識を向けどの側面から見ても「cadoらしさ」を感じられるようなデザインとブランディング活動を続けています。
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